本記事は、プレゼン研究会 Advent Calendar 2017の12/22(金)です。
前置き
さて、私は直近の**4ヶ月で8回いろいろな勉強会で登壇**する機会をいただきました。資料作成って時間がかかってたいへんですよね。
※過去の資料はこちら
さて、私の過去の登壇資料を改めてながめてみると、
- テーマがバラバラで、勉強会の度に資料作成する必要があった
- 長時間のプレゼン(30分以上)が約半分
あたりが特徴的ではないかと思います。つまり、毎回新しい内容を考える必要があり、かつ、ボリュームの大きな資料の作成も短期間で済ませる必要がありました。今回は、ぼくの高速な資料作成を支えるプレゼン骨子についてみなさんにお伝えしようと思います。
高速って・・・?
ぼくは高速を以下のように定義しています。
- 手戻りが少ない
要するに、プレゼンで伝えたい内容を組み上げたら、そこに向かって一直線で進めることだと思っています。
他にも
- クリエイティブがテンプレ化されている
というのも重要なポイントだと思っているのですが、ここは今回は解説しません。
手戻りが少ない状態をつくるには
結論から申し上げると、いきなり資料を作り始めないという一言に付きます。
「あー、そんなこと知ってる知ってる」
という声が聞こえてきそうですね。
では、資料をつくる前に何を考えればよいのでしょうか?ここを明確に決めて毎回資料作成の度に実践している方はそう多くないのではないでしょうか。
私は、この観点を骨子としてtemplate化しています。今回は、その骨子を公開しながら、なぜこんな観点を設けているのか?を解説しようと思います。
なお、本骨子は、gist としても公開していますので、よければそちらもご利用ください。
https://gist.github.com/katsuhisa91/94a880f3a60523e45b2691c0c7e55f1c
高速資料作成を支えるプレゼン骨子
というわけで、さっそく骨子を公開します。
```
# プレゼン骨子template
## プレゼン対象勉強会 / イベント名
### イベントページURL
---
## 前提条件
### 時間
### 場所
### 想定される参加人数
### 想定される参加者像
---
## 目的設定
### プレゼンGoal
### プレゼンGoal に向け、聴衆に伝えるべき内容の大枠
## Agenda
```
上から順に解説をしていきます。
プレゼン骨子template
- プレゼン対象勉強会 / イベント名
その名の通りイベント名を書きます。
- イベントページURL
URL は後から見直すときのために、骨子にも書いとくと便利ですね。
前提条件
- 時間
言うまでもなく、時間はプレゼン考える上でめちゃくちゃ大事ですね。個人的には余程、特別な事情がないかぎりは厳守すべきものだと思っています。
特別な事情とは、ライブで言うところのアンコール的な扱いの場合にのみ許されるのかなあ、と思っています。「今日はあなたの話を聞くためにきたんだよ!!!だからもっと話を聞かせて!!!」と会場から伝わってくる場合だけというか。そんな人間に私はなりたい。
- 場所
これは、住所という意味ではなく、**会場の雰囲気**を指します。壇上から話すための登壇資料をつくるのか、3人に対して小さな会議室で開催する勉強会なのかを考えると、**文字サイズを変える**など工夫の余地がありそうですよね。
- 想定される参加人数
参加人数も前提条件として大事ですよね。少人数であれば、インタラクティブに進行を進めることもできますが、大きな講演会場でプレゼンする場合は、こまめに会場質問を受け付けることはあまり現実的ではなさそうですね。
会場とのコミュニケーションを資料に予め設計して組み込む場合、前提条件として参加人数を知っておくことは必須だと思います。
- 想定される参加者像
参加者像は、プレゼン資料に限らず、かなり強く意識します。同じ200人でも、**特定のソフトウェアに関するユーザーグループの勉強会なのか、いろんなタイプのエンジニアが集まる勉強会なのか、両者を比べると資料構成がまるっと変わりそう**ですよね。例えば、後者の場合、前提知識の補足を多めに入れる工夫が必要だったりするはずです。
目的設定
- プレゼンGoal
どのような資料構成にしろ、プレゼンGoal を事前に設定することは重要です。Goal を事前に設定しておくと、「Agenda を考える際に、どの要素を入れるか」を意識しやすいです。
- プレゼンGoal に向け、聴衆に伝えるべき内容の大枠
これはプレゼンのクセかもしれないので、もし考え方が合わない人は飛ばして下さい。
私はGoal を決めて、ブレークダウンするような資料構成を基本的には心がけているので、Goal を達成するために必要な要素を先に分解します。
Agenda
最後に、先ほど決定した「プレゼンGoal に向け、聴衆に伝えるべき内容の大枠」をAgenda レベルに分解します。この際のAgenda の粒度は、プレゼン時間に依存します。
長時間のプレゼンの場合は、Agenda をもう一段階ブレークダウンしたレベルの枠組みまで先につくっておくと、より手戻りが少なくて良いでしょう。
まとめ
以上が、私がプレゼン資料をつくる前に書いている骨子です。
資料をどなたかにレビューしてもらう場合、骨子の段階でレビューをもらっておくとよいです。長いプレゼンになればなるほど骨子の精度が全体の資料作成の時間に影響を与えるためです。というわけで、みなさんも良い骨子ライフを楽しんで下さい。
以上です。
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