これはただの日記

なにも考えていないようだ

NoOps Meetup #6 に登壇してきた #NoOpsJP

先日、6/4 に NoOps Meetup #6 に登壇をしてきました。

noops.connpass.com

お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。また、素晴らしい会場、飲食提供、そして NoOps のパーカーをいただき、スポンサー企業の皆さま本当にありがとうございました。そして運営メンバーの皆さまもあたたかく迎えていただきありがとうございました。

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話したこと

speakerdeck.com

今回登壇するにあたり NoOps の歴史的な背景についてあらためて整理しました。 NoOps という単語を見ると、どうしても No Operations を連想し、現在 Ops 寄りなお仕事をされている方は拒否反応が出てしまうかもしれません。ですが、実際はソフトウェアで自動化を推進することにより、一部の運用業務を Self-Service で開発者が実施できることを指しているのだと私は理解しています。(または、そもそもその運用業務をソフトウェアで実行したり、そもそも運用業務が発生しないようにシステムの回復性を実装したり。)

また、依頼作業ドリブンで仕事をするのではなく、 Self-Service で仕事を進めることによって、組織の経済的な無駄が取り除かれることについて、書籍『The Principles of Product Development Flow』の内容をもとにお伝えしました。

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本発表の主旨は、NoOps と SRE の交わる文脈として Eliminating Toil について、『The Site Reliability Workbook』の内容をもとにご紹介しました。発表の締めくくりとして、「嬉しくない運用業務を取り除くために、どのように SRE として推進していけばよいか?がSRE本には丁寧に書かれているので本当にオススメの本です」とお伝えしました。

いただいた感想など

いくつか私の発表中に Twitter で言及いただいた感想をピックアップしてみます。

NoOps という用語だけを見ると、運用に関わる人を減らす運動に見えてしまうかもしれないのですが、そうではないよねー、という話をしてきました。

僕も同意見です。この「同人誌」という解釈が本当に正しいよな、という気がしています。サービスの運用について考える時に、関連する業務をMECEに整理できるかと聞かれると必ずしもそういうわけではないです。だからこそSRE本は、いろんな人の小論集として構成されているのだと理解しています。

スタディストでは、 Design Document を書くことを重視しているよーという事例を共有しました。で、その背景として「障害を生まないように設計した人にちゃんと焦点を当てたいから」という価値観を持っています。ただ、誤解して欲しくないので敢えて書きますが、決して設計だけできる人がエラいという価値観は持っていないです。設計をし、設計に沿って美しい実装をし、両者は両輪の関係だと思っているからです。

すごく嬉しいお褒めの言葉をいただきました。スタディストという社名に恥じぬよう、今後もいろんなことを貪欲に学び、良いチーム、良いサービスを All Studist でつくっていきたいと改めて思いました。

印刷して家にかざろうかと。ありがとうございます。 世の中には魔法のようなものはほとんどなく、一歩ずつやるしかないとチームのミーティングでもたまに話しています。とは言え、それは自分たちの進むスピードをゆるめる言い訳にするつもりはなく、ムーンショットを打ち続けられるチームでありたいな、と思っています。

Stackdriver Error Reporting だいすきです!!!いつもお世話になっております!!!

というわけで、最後はこんな感じでお話を締めくくりました。

今回は、他にもいろんな方にお褒めの言葉をいただき、たいへん嬉しかったのですが、特にこのコメントは個人的にすごく嬉しかったです。 というのも、実はこのスライドの発表をした当時からそろそろ 1年がたちます。

speakerdeck.com

今回の発表では、この当時からさらに進化した状態をスナップショットとして残したいと思い、資料作成段階から意識をしていました。なので、実際にこちらのスライドをご存知の方がこのように言及くださるのは、自分としては本当にありがたいお気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

聞いてきたこと

今回は、私以外に、Google 山口さんとサイボウズ山本さんの発表がありました。Twitter などでお二人のご活躍をいつも拝見していたので、素晴らしい方といっしょに登壇させていただき、本当に嬉しかったです。

Google 山口さんの発表

docs.google.com

SLI/SLO やオブザーバビリティのお話からはじまり、Stackdriver の機能がそういった概念をどうサービスとして表現しているか?を発表くださいました。 Stackdriver ユーザーとしては、めちゃくちゃおもしろい発表でした。特に、Stackdriver IRM (Alpha)は聞いていて、すごくわくわくしました。

サイボウズ 山本さんの発表

speakerdeck.com

サイボウズさんが、データセンターのインフラ刷新プロジェクト(Neco)を進める中で、データセンターをいかに NoOps になるように構築しているか?というお話でした。しかもつくったものをほとんどすべて OSS として公開をしていると。かっこよすぎる。個人的には、 Neco の設計原則が特に刺さりました。

おわりに

当日は、他にもパネルQAなども行いました。会場の皆さんからの質問が具体的で、回答する側としてもたいへん勉強になりました。もちろん、Google 山口さん、サイボウズ山本さんの回答も非常に参考になって、おもしろかったです。

というわけで、終始たのしかった!関係者のみなさまおつかれさまでした&ありがとうございました!